借金天国

国の借金864兆円に=国民1人当たり678万円−9月末
(11月10日17時1分配信 時事通信

よく使われる言い回しですが、これに違和感を覚えたことはありませんか?ありませんか、そうですか。

切り口は色々ありそうなんですが、まず一番とっつきやすそうなのは「誰からの借金?」てこと。
財務省の資料*1によると、国債保有者の内で海外勢は6.8%(平成20年度12月末時点の速報値)。ほとんどは日本人または日本の投資機関が購入してるってことですね。ちなみに全体の内で20%位はゆうちょ銀行で、さらに9%ほどがかんぽ。その他の銀行が15〜16%くらいかな。あとは年金基金とか保険会社とか。ちなみに国内の個人保有分は5.2%。
銀行だ保険会社だって言ったって、顧客の預貯金・保険金で買ってるのに違いはないから結局は日本国民が間接的に国債を購入している訳です。
ということは、「国民1人当たり678万円(の借金)」とはいうもののその一方で「国民1人当たり644万円*2の貸し付け」も同時に存在していることになりますね。
ここら辺まで来ると違和感のありかが見えてきます。それは「政府の借金」を「国民の借金」にすり替えちゃってることだと思うんです。正確な表現を心がけるなら、「日本政府は主に日本の個人・法人から864兆円、国民1人当たりに直すと644万円の貸し付けを受けている。」と言うところではないのかと。
冒頭のような表現を何処の誰が使い出したんだか知りませんが、うまいこと煙に巻きつつ政権批判に結びつけちゃってるあたりこすいなあと思わずにはいられませんね。