本人確認のお話

選挙日程が決まると程なくして投票所入場券が郵送されてきます。
そして選挙当日、この入場券を持って指定された投票所へ行きますと、事務員さんが名簿と入場券とを照らし合わせます。
OKなら投票用紙を貰えるので、この用紙に指定事項を書き込んで(または書き込まず)投票箱へ投入。
必要なら投票済み証書を貰って投票所を後にします。


さて、問題は「名簿と照らし合わせる作業」。なんか適当じゃない?と思うことがありませんか?
ちなみに神戸にいた頃は「生年月日を仰って下さい」と本人確認をされましたが、今の選挙区ではそんなこともなく入場券を持って来たらそのまま入場券に済み印を押してお終いです。おいおい、入場券持って来たのが他人だったらどうすんのよ、と最初は思ったものです。


そんな事をある人に話したらこんなことを教えてくれました。

「そりゃあ性善説に立ってるからじゃ。他人の入場券を持ってくるはずがないとな。
大体、他人の入場券を手に入れようったらそりゃあ難しいぞ。投票用紙がいつ郵送されるかを調べにゃならんし、配達人さんが来たらすぐポストから持って行かんとならんし。
手ぶらで投票所に行ったって氏名生年月日住所があればその場で作って貰えるから先に投票されたら終わりじゃ。2回も3回も投票所に来ればすぐ怪しまれて職員につかまるしな。
それにな、1票を余分に入れる利益と盗むリスクとが見合うまい。1票が情勢を左右する程の小さいところならみんな知り合いじゃから『なんで別人の券をもっとる』とすぐばれておしまいじゃ。隣の顔もわからんいくらかでも人口のおる地域なら1票2票かっぱらって余分に入れたところで影響なんかない。『私が1票入れても入れなくても変わらない』の理屈じゃな。
そりゃあ盗まれて勝手に投票されたらその人にとっては大事じゃろ。じゃけど、運営側からしたらそんなちっさいことで余計な手間をかけとうないのが本音じゃな。タダでさえ選挙運営ゆうのうは大仕事なんじゃから。」

なーるほど。
でもマーフィーの法則的に考えると他人の入場券で投票しようとする輩が現れてかつそれが露見しマスコミに騒がれることはいつかどこかで起こるわけで、その際のクレーム対応を未然に防ごうと思ったらせめて生年月日の確認くらいはあってもいいんじゃなかろうかとも思いました。