映画の話

今日は「ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男」です。
原題"DARKEST HOUR"からするとちょっと大仰な邦題ですね。
大雑把に言うとチャーチル就任前後のおよそ1か月のチャーチルの格闘と葛藤的なものを描いた感じの作品。
取り立てて一大スペクタクルというほどの作品ではなく、イギリスらしく暗ーい感じの画面で延々とチャーチルの描写が続くんですけれど、心理描写というか内面の葛藤を描くのがなかなかに巧みで、ついついチャーチルに引き込まれるような感覚がありましたね。
倒閣の動きを察知しながら迫りくるナチスドイツを前にして虚勢を張ってみたりとか、いわゆるハイコンテクストなやりとりがいかにもイギリスっぽい。
脚本もさることながら、チャーチル役の演技が大変すばらしく、年寄りらしいえっちらおっちらした歩き方とかブルドッグ的な顔の震わせ方とか、なるほどこれなら引き込まれるなと思うほどの見ごたえ。
なお「英国王のスピーチ」と「ダンケルク」を事前に見ておくとより雰囲気が出るでしょう。
あと何よりもイギリス物の映画で見ごたえがあるのはやっぱり衣装ですよ、衣装。
ジョージ6世チャーチルのスーツは言うまでもなく、道行くモブまでもいい服着てるなあ、いい仕立てだなあって思います。
実際それが一番見たかったといっても過言ではない。