最近の子

ウチの研究室は情報系専攻としてはちょっと異色で、光を扱う研究室です。要するにCDやDVD、Blu-rayに代表される光記録媒体の研究だったり、X線や磁気でなく光を使って体内の情報を得る研究だったりするわけです。
で、そんな我らが研究室に入ってきたある学部生M君の話なんですけど、今日のミーティング中のこと。

N先生 「シャッタースピードが(中略)でしょ?」
M君 「あの、シャッタースピードっていうと?」
N先生 「…。カメラの構造知ってる?」
M君 「えっと、レンズがあってフィルムがあって…。」
N先生 「そう、で、レンズとフィルムの間にシャッターがあるでしょ?」
M君 「はあ…。」
N先生 「だって、フィルムに光があたりぱっなしになってたらまずいでしょ。
フィルム式のカメラで裏ブタ開けたらフィルム駄目になるでしょ?」
M君 「そうなんですか?」

t> 「あのさ、フィルムって光に反応して変化する分子が塗ってあるわけでしょ?そしたら光が当たりっぱなしに

なってたら全部感光しちゃうじゃない?」
M君 「ああ…。あっ、だから暗室でフィルムを扱うんですね?」
N先生 「そうそう、だから(以下略)」
M君 「そうだったんですか。知りませんでした。」

t> 「まあ、確かに最近はみんなデジカメなんですけどね…。」

時代の移ろいを感じるのはこんなとき。こんなの基本中の基本だと思ってたのにそろそろそれも通用しない「常識」になっていくんでしょうか。最近はきっと中学の理科の教科書なんかでも光の単元でフィルム式カメラなんて例に出したりしないんでしょうね、きっと。それ以前に最近の子供はデジカメ以外のカメラが存在していることを知っているのでしょうかねえ?そのうち「絞り」とか「F値」とか「ピントあわせ」とかも死語になっていくのでしょうか。
でも光を扱う研究室にこんな子がいるとは流石に予想外でした。