無理っ数

先月だか先々月だかテレビで「容疑者Xの献身」を見て以来、東野圭吾ガリレオシリーズを図書館で借りて読んでいます。今更ですけど。
そして今日「聖女の救済」を読破。「虚数解」とかなんとか大層にあおるからどんなものかと特に気になってたんですけど、読んでみるとなんだこんなものか、って感じ。毒殺がテーマって段階で「どうせなんとかして自分で飲むよう差し向けたんやろな」と思ってたら大体そんな話でした。飲ませ方は目新しいけれど。

そしてここからネタバレ。

この「聖女の救済」に使われたトリック、どう考えてもムリがありすぎ。
犯人は夫を殺すにあたり台所の浄水器に毒を仕込み、「殺さないで居る間」は台所の水を一切使わない/使わせないことで夫を生かし続ける。殺害を実行する際は夫を置いて長時間外出するだけ。
これがこの本のトリックの概要。だけどさ、どうやったって台所の水を一切使わず長期間過ごすっていうことは不可能なんですよ。
犯人たる妻は日頃完璧な主婦として振るまい、料理も凝ったものを出しています。料理に使う水はミネラルウォーター。ここまでは小説通り。食器も食器洗い機でなんとかなるでしょう。米は無洗米があります。
だけど、鍋や包丁やその他調理器具を洗うのはどうするの(一応食器洗い機でも良いみたいですけど。)?食材を洗うのは?油や調味料で手が汚れたらどうするの?まさかそこまでミネラルウォーター?いやーいくら何でもそれはないわー。
そしてなにより、冒頭のホームパーティのシーンで犯人自ら台所の蛇口からヤカンに水注いどるやん!

ということでなんだかなー、な読後感でした。