七夕ですね。
最近はどうにも夢見が悪くてねえ。安らかに眠れますように、くらいしか願い事がないです。
胸の調子も振るわず、あとどれくらいこうやって遊びまわったり棒を振り回したりしていられるかなあと思ったりもしますよね。
そんなメランコリックなマインドは横に置いておいて、雨の合間を縫うようにして1週間で3本の映画を見てきたので感想など。
1.キング・アーサー
聖剣エクスカリバーにまつわる英雄譚ですね。
悪い奴が悪さしまくって、苦労して成長した主人公がピンチに陥りつつも聖剣をふるって王の座を取り戻すという、皆さんご存知のごくありきたりのお話です。
ごくありきたりのお話ですが、映像表現としてはまあまあしっかりしてますし、決まりきった筋書きだとしても脚本も演出もそれなりにしっかりしたものに仕上がっているので退屈はしなかったですよ。
ちょっと全体に騒がしいというか、アクションシーンを盛り上げようとしすぎるあまりに見てて疲れる気味もありましたけど。
あと前にダメでしょって書いた、邦題の「聖剣無双」は辞めたみたいですね。それが正解だと思います。
総評としては65点くらいかなあ。悪くはないけど、取り立ててぜひ見に行こうというところまで行かない感じ。
2.ローガン
アメコミのウルヴァリンの最期を描いた映画。
最初に言っちゃうと、素晴らしい映画でした。ゴア表現が多いので、アクションが好きでない人とか暴力的なシーンが好きでない人には向きませんけれど。
全体としてはロードムービーというのか、新たに生み出されたミュータントと年老いて生きることへの疲れをにじませる主人公が、次々に迫る追手を振り払いながらエデンを目指す逃避行ものっぽい感じ。
メインを張る子役の演技やアクションのレベルもとても高く、ハリウッドの層の厚さと人材の豊富さをうかがわせますね。
こないだテレビでやってた「ウルヴァリン SAMURAI」とのつながりを思わせるカットや、、最後の戦いの決め手となる小物の見せ方、ラストの墓標を引き抜いてX字に置き直すシーンなど、演出や脚本も大変良くできていますですよ。
雄大な風景をバックに流れるシーンの数々はそれだけでも見ごたえがあって、ジョン・デンバーのカントリーを聞きたくなりました。
点数で言うと80点くらいかな。アクションシーンは好き嫌いが分かれると思うので。
3.ジーサンズ はじめての強盗
主役3人の平均年齢は80歳以上、3人ともアカデミー賞受賞者という、いろんな意味ですごい映画。
何年か前に見たラストベガスを思い出す。
BTTFのドク役のクリストファー・ロイドも脇役にいるよ。
内容自体は、何の変哲もない3人の老人が食うに食われずやむにやまれず平穏な老後のためにがめつい銀行を襲うべく立ち上がる、というコメディタッチのお話。
感想を一言で言うと、「落語や時代劇のごとき安心感」ですかね。
いかにもお約束的な展開の連続で、ぼんやり見ててほのぼの楽しめる感じ。そうはいっても笑えるシーンやちょっと見入ってしまうシーンを細かく挟んできて、退屈はしないです。
水戸黄門みたいに御威光を掲げたり、三匹のおっさんみたいに杵柄を振り回したり、そんな鬱陶しさがないところに好感が持てます。
アカデミー賞俳優の無駄遣い、名優にとっては役不足、みたいな意見もあるらしいですけどさっき書いたようにお約束の安心感を満喫できるのでこれでいいと思うのです。
というかね、年寄りはそこにいるだけで存在感が出るのでズルいと思う。
モーガン・フリーマンとか、いるだけで画面ができあがっちゃうんだから凄いよなあって感じました。
評価は70点でどうか。名作だからぜひとも見に行こう、見なきゃ損だ、なんてことはないけど、メンズデー、レディースデーに暇で暇でやることなかったら見に行ってみたら、くらい。
あ、原題の"GOING IN STYLE"に対して邦題はちょっとひどいと思う。