佐藤錦

晩御飯の材料の買出しの帰り、いつもなら通り過ぎる果物屋さんの前をいつもどおり通り過ぎようとしたところ、店先に盛られたサクランボにふと目を取られて立ち止まりました。片手一掴みくらいの量で300円。うわさのブランドサクランボ、佐藤錦でした。今年もまた収穫間際に盗まれたとかって大騒ぎしてましたから、果たして本当に盗まれるほどのものかと思って、買って帰って冷蔵庫で冷やしておいて、さっき食べたところ。
しょーじきびみょー…。
水煮の缶詰に比べればもちろんおいしいけど、アメリカンチェリーと比べてどうかと言われてそんなに差があるようには感じられませんでした。やっぱブランドだけですね。値段と味が正比例しないことを久々に実感。
そういえば去年受けた農学部の授業で教授が言ってましたけど、日本の果物の政府・生産者サイドの戦略がちょっとおかしいんだそうです。日本人の食生活は果物の摂取が少ないからより多くの果物を食べるようにって言ってる割りに、大量生産で単価を落としたりせずにむしろ付加価値を上げて単価を上昇させていて、それじゃいつまでたっても消費量は上がらないし結果として生産者も販売不振で苦労してる、とかそういう話。大量生産大量消費が良いとは限らないけどブランド戦略も必ずしも成功していないんだそうですよ。「なにあの佐藤錦とかっての。1箱ウン千円でしょ?アメリカとかじゃ1袋詰め放題2ドルとかなのにね。」ですって。
ところで神戸でブランドって言ったら「神戸牛」と「灘の酒」でしょうね。高品質化、高価格化を地で行って成功した神戸牛と、品質を捨てた大量生産に走ってかつてのブランド価値を地に落とした灘の酒。なんとも皮肉な取り合わせじゃございませんか。