絶景、そして悲劇

少し抜けると牧場地帯。

あー、サイロと紅葉と、そしてウシの香り。ウシの糞からバニリンが取れるって言うけどね…。ま、ともかく木立の中を駆け抜けて、曲がりくねった山道を縫って、ついにお目当ての峠の景色ですよー。

ぜっけいかなぜっけいかな、てのは桜模様の見栄でした。「このたびはぬさもとりあへずたむけやま もみぢのにしきかみのまにまに」ですね。心洗われるような風景です。車とお年寄りでごった返してなければ…。フレームの外には暇と金をもてあましたご老体の群れがわんさといらっしゃるのですが気にしたら負けです、写真に写っていないものはないのと一緒です。
さて、帰るべえかと首を巡らし来た道を引き返して、ちょっとルートを確認と思いパーキングスペースになっている道脇に入ったところで、まさかこんななんでもないようなところに思わぬ悲劇が待ち構えていようとは…。
バイクを端の方に止めてエンジンを切ってシートから下りる。そこまではよかったんですよ。サイドスタンドを立てようと左足を外側にずらす、そこは草の茂る窪み、取られる足、のしかかるT1!!
咄嗟に右手をタンデムグリップにかけて持ち直そうとしたんですけど、ヘビー級バイク相手に左足が利かない状態ではいかんとも持ち直しがたく、あっ、あっあっ、ばたっ、ぼきっ…。がび〜ん。
すぐに引き起こしはしたものの、ああ、美しいあのカウルにキズが入ってしまって、しかもミラーが根本からぽっきり。出来るだけそっと倒したので他はどこも不調は無いようですがとりあえずミラーがないのはまずいので応急処置。

もう2度とこんなことがないように、立派なライダーになろうと誓ったのでした。