シャーペン新調から始まる文具談義

職場で使っている自前のシャーペン、これはその昔ローム社に会社見学に行った際に貰ったドクターグリップなんですが、落としたか何かの拍子に先がちょっとゆがんだかしたようで芯が詰まる様になってしまいました。カチカチやっても全然出てこないんです。日本の文具の工作精度は世界トップクラスだそうですが、精度が高すぎてちょっとした瑕疵で使えなくなってしまうとは意外な落とし穴。

思い出の品でもあり、仕方なしに新品のドクターグリップ買ってきてペン先の金具だけ付け替えるという大変贅沢なことをして再生したわけですが、ついでに新しい1本を、と思って一緒に求めたのがぺんてるグラフギア500。お値段\525。本来製図用ですがそんなことは気にしない。
軸の大部分は樹脂製だけど握りはアミメの切ってある金属製、細身でペン先に重心があるタイプ。学部の頃からかなり長いことドクターグリップを使っていたのでその感覚と比べると

  • ノックが固め
  • 握りが金属なのでがっちりしたホールド感覚
  • 細みな分だけ手元が心持ちよく見える

というトコらへんが特に違うかな、と。書き味は若干グラフギア500の方が固い気がします。たぶん握りの違いのせいでしょう。
ペン先がよく見えるというのはこれまであんまり気にしませんでしたけど、気付いてみると案外気持ちの良いものですね。特に私は字がごちゃっとしてるので。重心位置やメタリックな感じも良さげなのでしばらく併用してみます。というかついでに売り場で迷ったステッドラーの925_25も今度買って試そうかと。この辺は社会人の強みというか何というか、でもそんなに高価なものでもないしね。

シャーペンなんて安いのでいいじゃん、という指摘も当然あるでしょうけど、手というのは人体の中でも特に敏感な部分なわけで、そこに触れるものはやっぱり使っていて気持ちの良いもの、気分の良いものにしたいじゃありませんか。PC周りでもキーボードやモニタにこそ凝れっていうしね。


話を戻して、学部時代はシャーペン、研究室に入ってからはボールペンをメインに使っていた私ですが、実は高校を卒業するまではずっと鉛筆を使っていました。高校の頃にはほとんどの同級生はシャーペンでしたけど、私はかたくななまでに鉛筆。小中学校の頃はシャーペンに教師があまり肯定的でなかったとか、軽さや木の触感が好きだった、とかもありますが、一番気に入ってたのは「使った分がよく分かる」ってところ。
ハンドル式の鉛筆削りで削れなくなるまでちびたのを空き瓶に取っておいて、「ああ、これだけ勉強してきたんだな」とときどき眺めていたものでした。引っ越しの時に処分しちゃったけど。鉛筆削りも、大学受験が終わるのを待っていたかのように2次試験が終わってすぐ、ハンドルがボキッと根本近くから折れて使えなくなってしまいました。

その後思い出したときに文房具屋さんを眺めてまわってるんですが、今のご時世ハンドル式の鉛筆削りって何処も置いてないんですね。あってもいかにも児童向けのかわいらしいデザインのもので、この歳で使うにはちょっと、と敬遠しちゃうのがほとんど。就職して選挙事務に携わって久方ぶりにお目に掛かりましたけど、あれって出入りの文房具屋さんにお願いしたら手に入るんでしょうか?また来週にでも聞いてみましょ。

ハンドル式の鉛筆削りって、あのドリルみたいな刃がぐるぐる回るところに無骨な美を感じませんか?感じませんか、そうですか。でも私はびんびんに感じるわけですよ。螺旋を巻いてきれいに刃の並んだ金属の塊が歯車をかみながら微妙な角度でごりごり回る様は「いかにもメカ!」って風情で、幼い|t>のハートをストライクしちゃったんです。あ、これも鉛筆好きだった理由の1つかも。


そういえば鉛筆を使ってた頃はずっとHBでしたけど、シャーペンに変わってからはBになりましたね、硬度。元々筆圧はごく弱い部類だったと思うんですけど、シャーペンを使い出してからは特に文字が薄いのが顕著になって、それで変えたんだというように覚えていますが、どうでしたか。鉛筆の頃はBだと先の鈍るのが早いからって理由でHBだったような気もします。
就職してからも

課長 「シャーペンの芯はH?え、B?ならいいけど。」
先輩 「えらいテンションの掛かってない字書くなあ、あなた。」

なんて言われる始末ですが、基本的に文書作成はもうPCがほとんどなので助かってます。
筆圧の高い人って、手が疲れないですか?あと筆記スピードが落ちたりしません?いまちょっと試しにぐっと力を込めて書いてみましたけど、やっぱりダメ。すごいストレス。

字について言い出すと、「字が汚いから」という理由でテストで×を食らったとかまたエピソードもあるわけですが、流石に長くなったのでこの辺で。