いま将太の寿司を無料公開中なのでつい読みふけってしまいました。
やたらにお泣かせエピソードが多くて若干辟易する面もあるんですけども、鬱陶しい広告も気にせず一気に読み通してしまったのでやはり面白い作品には違いなかった。
さて、この作品は寿司バトルがメインなんですけども、技術・美術畑の人にとって非常に重要な示唆がたくさん含まれてるように思います。
例えば
・後輩、弱卒だと思ってると足元を掬われる
・技術一辺倒じゃダメ
・素材頼みでもダメ
・技術も素材もよくても客にマッチしてなかったらダメ
・しょぼい素材、初等技術が必ずしも高級素材や高等技術に劣るとは限らない
・アイディアは思いついたときがスタート、それを上回る仕掛けをしてようやくゴール
・さりとて手を掛ければいいとは限らない
・いつでも基本が大事、基本の鍛錬を怠らないことが大事
・でも得意な技術を持っていると強い
・自分に非がなかろうと悪意ある妨害や意図しないハプニングはいつでも起こりうる
・最高の仕事を連発するとどんどん要求のハードルが上がるが、手抜きの仕事をすると一気に干される
とか、なんかもう書ききれないくらい出てくるんですけど、改めて読むと凄いわあ。
まあこんなことを無職の私が書き綴ったところで何にもならないんですが。
日本のブランドとか伝統芸能とかはつい「最高の素材」「熟練の職人」「伝統の技術」を売りにしがちで、出来上がったものの良しあしとかニーズにマッチしてるかとかは二の次にされがちな気がしてたんですけども、それをうまいこと話の中で描いてるよなあと改めて思いました。
どのキャラもそれぞれいい味を出してるし面白いエピソードもたくさんあるんですが、個人的にはキャラとしてはマグロ哲が好きですね。場面では奥万倉くんが明鏡止水のハイパーモードに目覚めるところ(2度とも)とか好きです。