見てきました。また備忘録代わりのレビュー。
・翔んで埼玉
ええやん。
あくまでB級コメディ枠ではあるんだけれども面白かったです。
なによりも、途中で終わってる原作をうまくオチまで導いていたのは見事。
年齢がちょっときついながら主役の長身イケメン御曹司にGacktを抜擢したのは見事にはまってましたね。京本政樹はじめほかのキャストもはまり役と言ってよろしいかと思いますが、個人的イチオシは中尾彬ですね。めっちゃ中尾彬が中尾彬として中尾彬らしく役にはまってたと思います。
他方、二階堂ふみはやや力不足か。隣にGacktがいるとさすがにもうちょっとオーラだしてくれないとバランス悪いよね。宝塚の男役の修行をいくらか積ませておいたらもっとよかったと思いました。
最近の邦画では珍しく主要キャストの衣装や大道具小道具も大変凝っていて、原作の雰囲気をよく表現できてると思いました。ただ脇役はど田舎農民なのに全然服が汚れてないとか甘いところも見えましたけども。
ただ、同じ魔夜峰央原作で近日公開予定のパタリロはすでに爆死の匂いがプンプンする。
いくら背丈が近いからってパタリロを加藤諒じゃちょっとねえ…。
星の王子さまニューヨークへ行くみたいな感じでやったほうがうまいこと行くんじゃないかと思うんですが、どうだろう。
・運び屋
主演、オレ!
監督、オレ!
なクリント・イーストウッド映画。
内容はクリントじいちゃんがノリノリで車を転がして、ウキウキでキレイどころとツイストして、ちょっと偉そうに若いにーちゃんに人生訓をノベてみたりする、年をとっても人生楽しめるよね的シーンがいっぱいの、まあそんな映画。
ぶっちゃけクリント・イーストウッドがムチムチプリンなねーちゃん達といちゃこらしたいがためにこの映画撮ったんじゃないかとさえ思える。
ストーリー自体は「若いころ家族そっちのけで仕事に打ち込んで後年そっぽ向かれたけれど、いろいろヤバイ仕事をやってるうちに家族の大切さに気付いて許して受け入れてもらったよ」的な、絆だの愛だのいかにもはーとふるっていうか、正直に言うと嫌いなタイプのストーリー。オチはさすがに「ええ…」って思いました。
ただ、全体の話の運び方はあまりそれを意識させず、
・苦境の中カルテルの運び屋に活路を見出し、戦争帰りの老人でもはや銃さえ怖くないと言ってのけ好き放題やってるクリント
・それを利用しつつも振り回されたり仲良くなったり組織のいざこざでギスギスしたりするカルテル
・せっかくカルテルの内通者を得ながら運び屋であるクリントの気まぐれに翻弄されて結果を出せない捜査当局
の三つ巴で、結構緊張感があります。
人生の特等席でもそうでしたけど、年を取ってしょぼくれながらも逆にそれを味にしていい演技を見せてくれるクリントは見事です。ずっとタフガイイメージでやってきてるスタローンとかとはまた違ったタイプの年の取り方ですよね。
周りの俳優陣もそれぞれ素晴らしいんですが、クリントの妻役のダイアン・イーストウッドの死に臨む演技は大したものでした。
歴史に残る名作、何をおいても見るべき大作ってことはないけれど、見ても損はないってくらいの映画です。いつまでクリントを見られるか分からないしね…。