映画の話2本立て

先週見た映画は「フォードvsフェラーリ」と「リチャード・ジュエル」の2本。

 

なんというか、どっちもいまいちスッキリしないで終わるので後味がよろしくない感じがしますね。

 

どちらも事実をベースとしていて、現実にそうスカッと案件はあるわけないので仕方ないところはあるんですけども、映画をエンタメとして楽しみたい私からするとやや不満ですね。

 

フォードvsフェラーリは、タイトルの通りル・マンにおける当時の王者フェラーリにフォードが挑む、というお話。

1960年代のフォードの置かれた苦境とかまだメカニックとレーシングドライバーが兼任できた時代なんだなとか、色々現代とは違う様相が描かれていてなかなか興味深いですね。

またレーシングマシンの開発における経営陣の横やりとか社内政治、レースにおけるいわゆる場外戦なんかの駆け引きとか、単なるレース映画ではないところに面白さがあると思います。

他方、経営陣トップであるフォード2世の一貫性の無さとか、横槍入れまくってくる副社長とか(現実には悪人ではなかった模様)、先に書いたように事実ながらもスカッとしない終わり方とか、見ていて楽しい映画、見て満足できる映画とは言いにくいなと思いました。

 

ところで、ル・マンと言えばマツダロータリーエンジンル・マンを制したエピソードもなかなかに燃えるものがあるわけですが、今の日本の映画界が映画化してもいいものにならないだろうなという思いしかしませんね、残念ながら。

 

 

リチャード・ジュエルはクリント・イーストウッド監督の毎度の「市井の愛国者万歳」的な映画です。

反メディア、反権力的な内容が強いんですが、イーストウッド監督らしくテンポよく進んでいくので気疲れなくみられると思います。

冤罪を吹っ掛けられて苦労するお話なのでどうしてもノリが暗くなりがちなのが辛いところで、しかも「コイツ地獄に落ちねえかな」みたいな人物も特に何事もなく進んでしまうスカッとしない展開なので、やはり見ていて楽しい映画とは思いにくいですね。

まあお涙頂戴的演出の含まれたドキュメンタリー的映画として楽しむのがいいんでしょうか。