くどいあざとい女々しい

今日は「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」です。

連休中日だし映画館もそれがあるショッピングモールもかなり人でごった返してまして、もうみんな本心ではコロナなんかって感じじゃなかろうかと思ったり。

さて、肝心の映画はと言うと、変わらず美しい美術と音楽で、その点ではどこに出しても恥ずかしくない出来栄えであったろうと思います。

他方、脚本はいかにもお涙頂戴でちょっと鼻につく感じでしたかね。そもそもがよく言えば王道の、悪く言えば陳腐なお話が多いシリーズだし、それがむしろ売りともいえるのでそこらへんは目をつぶるべきか。

また映像も美術としては美しいけれどカメラワークとか演出とかの点ではさして目立ったものもなく、そういった点ではまだ改善の余地があるようには思いました。

 

全体のストーリーは再会系ラブストーリーを軸に古のお泣かせコピペを絡めた感じ。

死に臨む人間の心理については、半分当事者の我が身としてはあんまり感情移入できないというか、「いかにも『こんな感じだろ、こんな感じで感動させてやろう』が見え見えだなあ」と却って冷める感じがしましたね。

あとねえ、男ヒロインとでもいうべきギルベルト少佐があまりにも女々しくて女々しくて、心の中の九州人が「しゃんとせんね!!」とか叫んでるのを感じました。私には九州の血なんて全然入ってないはずなんですけど。

「責任感じてるなら四の五の言ってないで責任取って人生まるっと面倒見ろよ!!」って感じですかね。

合わせる顔がない系の愛の告白は「ドモン・カッシュの前にドモン・カッシュなく、ドモン・カッシュの後にドモン・カッシュなし」だと改めて思いましたね。

作品のテイスト上、あそこまで暑苦しくする必要はないんですけど、やっぱりねえ、王子様は王子様しててくれなきゃしっくりこないですねえ。

 

と言うところで感想終わり。