天気の子を見てきましたよ。
天候にまつわるこのお話を公開するその夏に、まさに雨まみれでなかなか梅雨が明けない気候になるなどとは「新海さん持ってるな」と思わずにはいられません。
相変わらずの透明感あふれる美しいビジュアル、短いシーンを連続する手法、相変わらずの新海節でしたね。
他方、ストーリーに関してはちょっともやっとするというか、「こういうオチで終わるかえ…」ていう感じというか。
「何を引き換えにしてでも君が欲しい」というある意味ありきたりなノリをやりきってあのラストシーンにつなげるためにはしょうがないんだけど、なんかすっきり劇場を出られない感じがやや私向きではなかったですね。
本田翼は、なんというかハウルの木村拓哉とか風立ちぬの庵野秀明とかと同じ感想とでもいえばいいんですかね。「頑張りました」「もう少し頑張りましょう」的な。
あとちょっと感じたのが、手癖で作っちゃってる部分がある気がするというか、ところどころとりあえずでお約束をぶっこんでる気がするというか。
細田守はまさに手癖で作り続けてるせいで鳴かず飛ばずに陥ったと思うので、このまんま同じ調子で作ってると同じドツボにはまりそうな気がします。
「当たるように作る」と「自分の色を出して作る」を両立するために、「何が当たるのか」「何がウケるのか」「何をやったら良くて何をやったらいけないのか」を考えて把握してコントロールしながら制作する。
実に困難な作業ですけれど、今の時代の映画作り映像作品作りってそういう領域じゃないですかね。
そういう点では次の作品が分水嶺になるような気がしてなりませんね。個人的意見ですけど。