この度は「IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。」です。
うーん、なんというか、これも前作と比較するとちょっと落ちるなあという感じ。
ホラーとしての演出が旧来のハリウッド型の「節足動物、多脚生物の気色悪さ」「グロテスクな造形による気持ち悪さ」みたいなものに振りすぎてて、前作のような和製ホラー的「目に見えない恐怖」みたいなものが薄れて、結果として「ただグロいだけ」的な映画になってしまっているように感じました。
そもそもこの映画における"IT"って、ピエロのお化けというよりはなにか得体のしれないわけのわからないものがピエロの形をとって理不尽に襲い掛かってくる、的な感じだと思ったんですが、その割にちょっとピエロにとらわれ過ぎてないかなという印象。
また恐怖の場面の最中にちょくちょくコメディ的演出が盛り込まれたりして、それも興を削ぐように思います。
コメディパートはむろん緊張と緩和の原理に照らして必要なんですけれど、緊張のシーンの真っ只中に緩和を持ってくるとちょっとちぐはぐかなと。
余談ですが、上映時間が約3時間に及ぶため事前または鑑賞中にカフェインを含む飲料を摂取することは勧められません(ギリギリでした)。
さて、この映画とさらに先日テレビ放送されたターミネーター2を見て思った(思い直した)んですけれど、
ターミネーターって、元はロボットアクションじゃなくて「SFホラー」だよねってこと。
1にしても2にしても、「未来からやってきた強大なロボットが命を狙って迫りくる」っていう恐怖をベースとした映画だったなって。
それに対してその後のシリーズは根本的に「SFロボットアクション」になっちゃってて、映画の方向性そのものが変わっちゃったんだなと。
で、ニューフェイトについて改めて感じたのは「敵ロボットの造形がこれまたやっぱり昔のハリウッドテイストのいかにもグロい軟体生物形状になっちゃってたな」ってこと。
T2におけるT1000って改めてみると結構ゆっくり貫いてくるので「あー刺さる刺さる、刺さる~」みたいな段々怖さが募る感じだなと思ったんですが、それがニューフェイトだと一瞬でブスって行ってて怖さを感じる暇もない感じ。
「ゆっくりでも怖いなら、速くしたらもっとすごく怖い感じになるやろ!」的な雑な演出になってないですかね。
とまあ、そんな感じで今一歩満足しきれない映画が2連続という、そういう1週間でした。